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EDX(SEM-EDX)
機器訪問利用
茨城県
EDX(SEM-EDX)
概要:SEM(走査型電子顕微鏡)にEDX(エネルギー分散型X線分析装置)を装備しており、観察領域における組成分析・元素マッピングができます。
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<EDXの特徴>
EDXはEnergy Dispersive X-ray Spectroscopyの略で、エネルギー分散型X線分光法と呼ばれます。SEM-EDXはSEM (走査型電子顕微鏡) で蔵観察を行いながら、その視野に対して元素分析を行うことができます。EDXは電子線を照射して試料に当てることで原子が励起させ、原子固有の特性X線エネルギーを検出することで試料表面の構成元素の定性・定量分析ができます。EDXのエネルギー分解能は約130~150eVです。また、特性X線エネルギーの計数率を信号として電子プローブを操作することで、各点からのX線放出量の違いを画像化する、元素マッピングを行うこともできます。B (ホウ素)〜U (ウラン) の元素を測定することができ、測定範囲の全エネルギーを同時に短時間で測定することができます。全て同時に測定するため、少ないプローブ電流で測定が可能です。
EDXは電子線を細く絞って測定を行うため、照射域表面にダメージを受けることや、長時間の分析や、試料表面が帯電すると時間とともに照射域の分析位置がずれてしまう事があるため、注意が必要です。
<EDXの原理>
EDXは電子線を基底状態の原子に照射することにより内殻電子を原子外に励起します。このとき原子の内殻には空孔が生じます。内殻に空孔を持つ状態はエネルギー的に不安定なため、外殻電子が内殻に遷移します。その際に、遷移前の状態と遷移後の状態のエネルギー差に相当する特性X線を放出します。特性X線は元素によって固有のエネルギーを持っているので、これを測定することで元素分析をすることができます。EDXは表面分析で数μmの深さまでのX線情報が得られます。これは加速電圧が高いほど、また、試料の平均原子番号が小さくなるほどより深いX線情報を得ることができます。
ホウ素、炭素、窒素、酸素などの軽元素はX線吸収が大きく、加速電圧を上げるとX線の発生領域が深くなるため、吸収による影響が非常に大きくなります。このため、加速電圧を上げると逆に検出感度が下がることがあります。
<EDXの前処理>
絶縁体試料を測定分析する場合は帯電を防止するために白金蒸着などの導電性処理を行う必要があります。
可能な実験例
○部品の破損原因の特定
劣化して破損してしまった部品を表面分析することにより、本来部品に含まれていない成分などの有無を調べ、外的要因がないかどうかを判断することができます。
○金属中の変色調査
変色してしまった金属製品を測定しマッピング分析をすることにより、変色箇所に含まれる成分を特定することができます。
○無機物質の大まかな材料判定
未知の無機物質を測定し、標準試料のデータと照らし合わせることで無機物質の大まかな材料判定をすることができます。
○電子基板上の微小異物の分析
電子基板上に発生した微小異物の元素分析をすることにより、有機物か無機物かを判別することができます。
※組織により上記実験ができない場合がございます。
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