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ICP-AES(ICP発光分光装置)
機器訪問利用
東京都
ICP-AES(ICP発光分光装置)
概要:液体試料中の元素の定性分析・定量分析固体試料中の元素の定量分析を行う装置です。
詳細・スペック
備考
※提供組織の状況によりご要望に添えない場合がございます。まずはご相談ください。
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<ICP−AESの特徴>
ICP−AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry)は物質に含まれる元素の定量分析方法で、無機分析の最も汎用的な方法の一つとして広く利用されています。溶液試料を用いますが、多くの固体も溶液化することで分析が可能です。測定可能元素が多数あり、ほとんどの金属元素の他、Li、B、P、Si なども分析できます(分析の難しい元素としてH、C、N、O、F、希ガス元素などが挙げられます)。検出限界も多くの元素に対してppb(μg/L)レベルの低濃度まで可能で、微量分析には欠かせない手法となっています。標準試料で検量線を作成しますが、直線範囲が5~6桁にもおよぶので、同一条件で主成分から微量成分元素までの多くの元素を同時定量することができます。
<ICP−AESの原理>
高周波誘導コイルとアルゴンガスによりプラズマトーチを灯し、試料溶液をネブライザーで霧状にしてアルゴンプラズマに導入します。そこで試料に含まれる原子の軌道電子が定常状態から高いエネルギー準位の軌道に移り、低いエネルギー準位の基底状態まで遷移します。このエネルギーの差が光のスペクトル線として放射されます。この光を回折格子など光学系で分光し、半導体検出器などでスペクトルを検出、電気信号に変換することで、測定できます。波長から元素の定性が、強度から定量分析が可能となります。濃度がわかっている標準試料により検量線を作成し、検量線法により定量値が得られます。
<ICP−AESの試料準備>
はじめに試料を酸などの溶液に溶かします。試料に含まれる元素のうち、定量を行いたい元素のそれぞれの標準試料で検量線を作成します。調整した標準試料と試料の濃度が極端に違うと定量精度が低下しますので、あらかじめ濃度の目星をつけておくと良いでしょう。溶けにくい場合は酸の種類の変更や、加熱処理などが必要で、溶解に使うガラス器具の汚染や汗、皮膚などに含まれるナトリウムなど微量成分が測定結果に影響を与えることもあり、溶液調整には注意が必要です。溶液粘度も高すぎると測定結果に影響を与えるので、検出下限を下回らない希釈が必要になる場合もあります。
可能な実験例
◯無機物の構成成分定量分析
主成分組成や微量添加元素が性能に与える影響が大きい素材の分析に有効です。鉄鋼など合金、セラミックス、鉱石などの成分分析に用いられます。
◯環境規制物質の検査
RoHSなどによる環境規制物質(鉛、水銀、カドミウムなど)の規制濃度は、例えばカドミウムの場合は100ppmなど、測定対象重量に対し微量です。 これらの微量成分定量分析に有効です。土壌や産業廃液、製品の一部などが分析対象です。
◯生体試料に含まれる金属などの定量分析
体内に蓄積された重金属などが毛髪や爪、骨などに排出される場合があります。これらを溶かして分析、定量化することが可能です。
◯食品中の汚染物質濃度検出
消費者の健康保護のために食品の汚染物質に対する基準値が設けられており、例えば米に含まれるカドミウムの場合は0.4 ppm(mg/kg)以下と定められています。これら食品の低濃度汚染物質検査に用いられることがあります。
※組織により上記実験ができない場合がございます。
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