有機化学、高分子化学、マイクロ波化学を基盤として環境にやさしい機能性材料の開発を目指して研究に取り組んでいます。
■企業等との連携可能テーマ
・ケミカルリサイクルを指向した機能性高分子の合成
・マイクロ波照射を利用した省エネルギー化学合成
・有機―無機ポリマーハイブリットをはじめとする環境ナノ材料の創成
■技術の用途
構造材料、光学材料、耐熱材料など
有機化合物の構造解析、材料の表面・バルク分析、マイクロ粒子の分析
赤外吸収分光計(IR)はサンプルに赤外線を照射し、それによるサンプルの物質がどの周波数(通常は波数)の赤外線を吸収しているかを測定する装置です。分子や原子はそれぞれ固有の振動をしていますが、波長(スペクトル上では波数)を連続的に変化させながら赤外線(infrared : IR)を照射すれば、分子の固有振動と同じ周波数のIRが吸収され、分子の構造に応じたスペクトルが得られるはずです。これにより、サンプルが予測できるものであれば、既知のスペクトルと比較して、同定、確認ができますし、また、多重結合、官能基、シス-トランス異性、水素結合などの分子構造に関する知見を得ることもできます。
なお、実際の測定原理は干渉計を利用したフーリエ分光法を用いていて、より高い波数の再現性を持っています。現在はこれらのFT-IRが一般的になっています。検出器は、焦電型のDTGS検出器と、半導体型のMCT検出器を備え、高感度分析にも対応しています。
試料は、サンプルセルを換えることにより、固体、液体の状態で測定できます。通常、固体はサンプルをKBrに分散させるKBr法、液体は原液のまま測定する液膜法と溶媒に溶かす溶液法を用います。また、1回反射ATRユニットや高感度反射ユニットを用いることで固体、液体、フィルム状など、様々な状態の試料にも対応できます。その他、顕微IR用の顕微鏡アタッチメントを比較的簡単に据え付けることができ、微少領域の測定をすることが可能です。
粉末、バルク、薄膜の結晶構造解析
本装置は、全自動水平型多目的X線回折装置(XRD)です。
粉末、バルク、薄膜など多様なニーズに対応し、ガイダンス機能を持ったアプリケーションにより最適な測定条件で分析が行えます。また専用の解析アプリケーションにより定性分析、定量分析、結晶化度、配向度、結晶子サイズ分布、膜厚、残留応力など様々な解析が可能です。
・粉末、バルクの定性分析、定量分析(2θ/θ測定)
・薄膜試料の定性分析(2θ(斜入射)測定、インプレーン測定)
・結晶方位分布や配向性の分析(極点測定、ロッキングカーブ測定)
・結晶化度の分析(2θ/θ測定)
・粉末、バルクの高温での相変態、格子定数変化(温度制御2θ/θ測定)
・加工材料の残留応力分析
・単結晶基板とエピタキシャル薄膜の結晶方位関係、格子定数の解析(逆格子マップ測定)
材料、有機化合物の定性・定量、天然物・微生物などの分析、異物分析など
物質に光を当てたとき、散乱光のごく一部に波長の異なる光が発生します。この現象をラマン散乱といい、ラマン分光では、レーザーによる単色光を当てて散乱光を測定することによりラマンスペクトルを得ます。ラマンスペクトルは、原子の振動(ばね運動に相当)によって周波数が変わるため、原子の質量と原子間の結合力に依存したラマンバンドが得られ、試料に含まれる結合や分子の解析をすることができます。
・有機化合物や金属酸化物などの物質は、成分が同じであれば同じスペクトルが得られます。よって、ラマンスペクトルから物質の同定をすることができます。
・混合物の解析はピークが複雑になるほど難しくなりますが、波形分離などを駆使することによって成分分析や定量ができることがあります。
・点分析では微量なピーク違いの見極めが困難な場合でも、マッピング測定によりピークの違いを見つけることができる場合があります。
・標準装備されている光学顕微鏡により、微小領域(分解能: 1μm(100倍対物レンズ使用))のラマンイメージ測定ができて、物質や成分の空間分布を調べることができます。
・共焦点モードによって、物質の深さ方向(分解能: 2μm(100倍対物レンズ、共焦点モード使用))の分析をすることができます。
・結晶化度や応力状態のような、材料の特性を調べることができます。
・温度可変ステージ(約-100℃~600℃)により、固体材料の相転移などの測定ができます。
物質の表面をなぞるように動かして表面の微細な形状や性質を観察できる顕微鏡
走査プローブ顕微鏡(SPM、AFM)は、先端の尖った探針を用いて、物質の表面をなぞるように動かして表面の微細な形状や性質を観察できる顕微鏡の一種です。光学顕微鏡や電子顕微鏡と異なり、ビームやレンズを使用しませんが、一定の条件と試料に対して原子・分子レベルの分解能を持ち、透過型電子顕微鏡に並ぶ拡大能力を持ちます。
表面形状測定、表面物性測定