◯物質の熱に対する化学変化の調査
物質を加熱し、重量変化を計測することにより、脱水、分解、燃焼、酸化、還元などの情報が得られます。例えば金属を大気雰囲気で加熱すると、酸素と反応して酸化物を形成する温度の情報が得られます。さらに高い温度まで加熱することにより、酸素の脱離する還元温度を確認できるなど、熱に対する挙動の情報が得られます。
◯物質の熱に対する物理変化の調査
物質を加熱し、重量変化を計測することにより、昇華、
吸着、脱着、蒸発、などの情報が得られます。例えば
吸着性のあるポーラス材料を加熱すると、
気体の脱離で少しずつ質量が減少し、100度付近で
水分子の脱離による重量減少がみられるなど、材料の
吸着能の情報が得られます。
◯物質の相変化温度調査
示差
熱分析により、
物質の融解、
ガラス転移点、
結晶化、
硬化、凝固温度など、相変化する温度がわかります。
例えば
有機物を加熱すると、融解に伴う吸熱ピークを確認できます。
その他ポリマーの
結晶化や
硬化、
ガラスの軟化点などの情報が得られます。
◯複雑な混合物の組成推定
あらかじめ構成
成分がわかっている材料の熱挙動がわかっていれば、データから
成分含有量や比率の情報がえられます。例えば
食品やセメントやゴムなど工業
製品に対して使われることがあります。
※組織により上記実験ができない場合がございます。